理想の監督を目指す

現場監督(施工管理)は離職率が高い?メンタルを保つための対策と解決方法について

現場監督は離職率が高いのでしょうか?

そして、施工管理業務はつらいだけの仕事なのでしょうか?

マイナス面の話が強調されているサイトもたくさんあり、現場監督の本来のメリットがあまり書かれていないことも多いと感じます。

わたしは現在、現場監督14年目です。

現場監督さんを全力で応援』したいと考えています。

この記事を読んでほしい人
  • 現場監督になりたいけど、不安がある人
  • 現在、現場監督を辞めようとしている人

そんな方々に向けて、わたしなりに修羅場をくぐってきて、試行錯誤したノウハウを発信させていただきます。

悩んでいる監督さんたちへ。

少しでもストレスをかかえこまないよう、ぜひ実践してみてください!

この記事でわかること
  • 職人さんへの対応
  • メンタル崩壊しない仕事の付き合いかた
  • ストレスを低減させる判断基準について

社畜生活を送った、社会人1年目の苦い経験はこちらです。参考まで。

【現場監督の体験談】これから社会人になる方へ ~社会人1年目の生活~ これから社会人になり、不安を抱えている方、現場監督を務めたばかりで思っていた仕事ができずに心が折れそうな方。 現場監督は...

そもそも離職率は高いの?

厚生労働省による産業別の離職率です。

直近のデータが令和2年のものとなります。

「建設業、そこまで離職率高くないじゃん!」

と、思いませんか?

建設業の離職率の参考
  • 平成14年(2002年) 18.6%
  • 昭和61年(1986年) 29.0%

詳しくは、厚生労働省HPをご参照ください。

確かに、以前は離職率の高かったことは事実です。

そして、2022年現在、以前ほど離職率は高くないというのも事実です。

わたし自身、今まで仕事をしてきて、職場環境は年々改善されていると実感します。

そして大企業ほど、より改善されています。

しかしながら、職場環境もピンキリで悪環境で働き続けている現場監督さんもいらっしゃると思います。

仕事の悩みを解決できる方法さえあれば、辞めるまで追い詰められないのではと思い、ポイントをまとめました。

結論は下記の通りです。

  1. コストについての最終判断は所長にゆだねる
  2. 工程は関係者全員を集めて調整してしまう
  3. 担当者として譲れないところは、とことんやりましょう
  4. 昼休みくらいは電話を切って寝る
  5. 優先順位を決めよう・決めさせよう

精神的に追い詰められる理由

精神的に追い詰められる原因

  1. コスト(予算)が決められている
  2. 工程が決められている
  3. 職人さんが言うことを聞いてくれない
  4. 次から次へと仕事が舞い込んでくる
  5. イエスマンは高確率でつぶれる

原因① コスト(予算)について

限られた予算の中で工事を終わらせなければならない。

企業である以上、利益を出さなければなりません。

つまり、予算に無い余分にかかった費用については原因をつきつめ、業者さんに有償支給をします。

有償支給とは、業者さんにお金を請求すること

自分が担当者の頃は、一番やりたくないのが有償支給の連絡でした。

だって、一生懸命やってくれている職人さんにお金の請求をしなければならないから。

心が痛みますよ、本当に。。。

原因② 工程について

引渡日が定められています。

マンションの場合は、購入者の方の引越しスケジュールも決まっています。

つまり、工期は延ばせません。

正しくは、工期を延ばす場合は請負契約違反となり、違約金を事業主へ支払い、購入者の仮引越し先などもすべて手配することになります。

そのため、終わらなければ深夜だろうと祝日だろうと工事を休めることはありません。

このような状況になると、突貫現場(突貫工事)となります。

突貫工事になると、現場に目が行き届かなくなります。

作業間調整不足のため、現場のあちこちで問題が勃発。

毎日、謝罪と調整の連続で、精神的に心休まる日がありません。

突貫現場は、安全面・品質面で問題が起きる可能性が上がります。

原因③ 職人さんが言うことを聞いてくれない

新人・若手現場監督の頃は、担当者として一番悩むポイントだと思います。

  • 上司からの指示を職人さんにお願いするけど、できないと言われる
        ⇩
  • そのことを上司に報告する

        ⇩
  • 上司に、「説得してこい」と言われる

こうなると、負のスパイラルに陥り、もう抜け出すことはできません。

こればっかりは経験値を積まないと、根本的な解決をするのは正直難しいんですよね。

上司に問題がある場合も、多々ありますね。。。

原因④ 膨大な仕事量

電話が鳴りやまないなんてことは日常茶飯事。

「図面がおかしいから現場見に来てほしい」

「こんな状態じゃ仕事できないよ!」

「来週の予定どうなってる?」

それこそ、繁忙期には発着信合わせて100件以上の電話が鳴り続けます。

並みのメンタルでは、やられますよね、当たり前です。

原因⑤ 真面目な人ほどイエスマンになってしまう

次々と仕事が舞い降りてきます。

そして、仕事を頼まれ続け、処理しきれなくなる。

「なぜ、終わってないんだ!」

上司に𠮟責され、現場では職人さんに

「段取りが悪すぎる!」

これまた叱られて、嫌になるのは当然だと思います。

それでも、頭を下げ、仕事をこなす監督さんは本当に尊敬します。

ただ、その真面目さが仇となり、自分を追い詰めてしまう結果となります。

解決方法と改善案


解決方法・改善案
  1. コストについての最終判断は所長にゆだねる
  2. 工程は関係者全員を集めて調整してしまう
  3. 担当者として譲れないところは、とことんやりましょう
  4. 昼休みくらいは電話を切って寝る
  5. 優先順位を決めよう・決めさせよう

解決方法・改善案① コストについて

困ったとき、最終的な判断は所長にゆだねましょう。

例えば、工事担当者として、

「原因は●●で大工さんに●●円有償支給となりますがどうしますか?」

ここで、イエスなら業者へ有償。

あくまで所長の判断となるので、気持ち的には楽になるはずです。

そもそも本来、上司とは責任をとる存在であるべきです。

担当者としてするべきことは、原因をはっきりさせること

正直、原因をはっきりさせることが難しいこともあるので、そこは地道に経験値を積んでいきましょう。

わたしの有償支給のおすすめは

「原因はこちらにもあるが、あなたにもありますよね?折半にしましょうよ。」

これはよく使います。

妥協案を模索しましよう。

解決方法・改善案② 工程について

まずは突貫工事にしない計画が必須です。

これは現場所長の責任です。

所長以下の我々が行う工程調整は、みんなを集めて決めてしまいましょう。

理由は、職長さんは優秀でまわりの仕事を知っている人ほど、妥協点を探すのが上手いから。

個人対個人だと、ワガママな意見を言う人も出てきますが、みんながいる場所では、それぞれの主張を聞いて、譲るところは譲るスタイルで決めていきます。

全員が自分の主張をし、収拾がつかない場合は、代理人を呼びましょう

実際に、わたしも一度だけ

「話にならないから代理人とはなす!」

と捨てゼリフを吐いて、打合せを放棄しました。。。

後々そのことを周りに聞いたら、基本わたし自身が温厚だから、ザワついていたみたいです。

自分の主張だけはダメ! 現場は同じゴールを目指す仲間が集まってる!

解決方法・改善案③ 職人さんが言うことを聞いてくれない

状況にもよりますが、担当者として『譲れないところもそりぁあるよ』というのが正直なところです。

だって、真剣に仕事をしているんだから。

明らかに、無理を言っている場合を除き、やってもらわなければ困ることに関しては、とことん話し合うべきです。

こちらが真剣にやっているからこそ、ぶつかることもあると思います。

私も、若手現場監督の頃は、何度も職人さんとぶつかってきました。

本当のぶれない気持ちは職人さんに必ず伝わりますよ!

解決方法・改善案④ 膨大な仕事量

朝早くから、夜遅くまで仕事をする現場監督さん。

昼休みくらいは仕事スイッチをOFFにしましょう。

わたしは、休憩中もスイッチを切り替えれなくて、電話が鳴りっぱなしのときは、とてもイライラしてしまいます。

次から次へと仕事がふりかかってくる。

職人さんからは、何で電話切ってるのか聞かれるかもしれませんが、

「サラリーマンですから!」

とでも、答えておけばいいと思います。

そもそも昼休み中に電話かけてこないで。

ということで、昼休みくらいゆっくり体と頭を休めましょう。

15分程度の仮眠は午後のパフォーマンスをあげてくれますよ!

解決方法・改善案⑤ 優先順位をはっきりさせよう

やろうとはしているけど、物理的に厳しいことを説明アピールをしましょう。

例えば上司であれば、

「できません」

ではなく

「どちらが優先ですか?」

と聞いてみましょう。

やる気はあるけど、仕事量が多くてこなせないだけなので、非はまったくありません。

次から次へと仕事が降りかかってきても、一日にこなせる量はどんだけ頑張っても限界があります

わたしは8年次くらいまで、この考えが出来ずに、完全に社畜化していた黒歴史もありますが、本当に精神的に病む寸前でした。。。

【メンタルを保つための対策と解決方法】まとめ

現場監督は常に仕事に追われ、常に回答を求められます。

人間が一日で判断できる回数は決まっていると言われていますが、判断の連続で一日を過ごせば、それは疲弊して当然です。

常に判断基準や決まったルールを持って仕事に臨めば、ストレスも軽減するはずです。

  1. コストについての最終判断は所長にゆだねる
  2. 工程は関係者全員を集めて調整してしまう
  3. 担当者として譲れないところは、とことんやりましょう
  4. 昼休みくらいは電話を切って寝る
  5. 優先順位を決めよう・決めさせよう

まずは実践してみて下さい。

そして、100点を目指さないでください!

本来、現場監督の仕事って、やりがいがあって楽しいものです

楽しさを見出す前に、本当は優秀なはずの未来ある監督さんがリタイアしないよう、応援しております!

どうしても、今の環境に改善の余地が無い場合もあると思います。

その時は、会社に見切りをつけて、より自分の力を必要としてくれる環境を探しましょう!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!