現役で建築現場監督をしています。
今まで楽しくかったことや建物が完成したときの感動を経験し、また、辞めようと思うほどつらい経験もしてきました。
たくさんの経験をもとに、これから現場監督になりたい、なろうとしている方に私なりの現場監督のメリット・デメリットをお伝えします。
- これからゼネコンの現場監督になろうとしている人
- 後悔をしない就職活動をしたい人
- 現場監督に少し興味を持っている人
それぞれのメリット・デメリットには実体験も交えてお伝えします。
リアルな現場監督の生活を感じられよう、事実をありのままに書いています。
この記事から、何か少しでも気付きや参考になることを見つけていただけるとうれしいです。
現場監督の一日の仕事内容に興味のある方は、こちらの記事を確認してください。
現場監督のメリットについて
- 給料が高い
- 若くして責任のある仕事を任される
- ひとつの現場で多くの人と関わることができる
- 体を動かすことが好きな人に向いている
- コミュ力が嫌でも上達する
- 現場での知識を生かして自宅のDIYに取り組める
給料が高い
やはり何といっても、給料が高い!
務めている企業にもよるとことは大きいと思います。
それでも大手企業の場合、年齢別の平均年収でいけば1.5倍~2倍くらい稼いでる人が多いのではないでしょうか。
私が勤めている会社についてですが、ゼネコン業界で準大手ゼネコンに分類されています。
年齢別のざっくりした年収を別記事で説明していますので、気になる方は参考にしてみてください。
若くして責任のある仕事を任される
自分の仕事ぶりで、現場の利益、職人さんの稼ぎが決まります。
責任感・正義感の強い人には結構なプレッシャーだと思います。
計画、段取りがかなり重要となるため、明日、1週間後、1か月後の準備を事前に確認をしておくことが必要です。
割と大きめの現場であれば、若年次でも担当工事の請負金額が1億を超えることも普通にあります。
現場所長になれば、コスト、現場運営等、一企業の社長のような存在となる為、一度経験してみたいと思う人もいるのではないかと思います。
また、新築マンションに携わることが多かったのですが、何もないところから建物をつくり、最終的に購入者の内覧に立ち会い、そこで感謝をされると、心から嬉しいです。
本当に頑張ったかいがあったなと実感します。
やりがいという意味では、文句のつけようがない仕事だなと思います。
ひとつの現場で多くの人とつながることができる
人との出会いに私は現在社会人14年目ですが、今までに携わった現場は10現場です。規模によりますが、1現場で出会う人は職長さんだけでも30人、職方さんまで含めればおおむね300人前後という数になります。
普段生活していて、道端で出くわしたら絶対に話をしないような強面の人と普通に仲良くなります(笑)
漢気がある人ばかりです!
本当に気が合う人はプライベートでも付き合っています。
ゴルフ好きな人が非常に多いです!
体を動かすことが好きな人に向いている
私が新入1~4年目くらいの時は作業着が頻繁に泥だらけになっていました。
仮設資材の片づけ、水中ポンプでの水替え、現場内の掃除等、現場監督は体力仕事だと錯覚していた時期があります。
あくまで監督の仕事は指示と確認なのですが、「指示するよりも自分でやったほうが早い」と考えていたので、よく体を動かしていました。(←現場監督としてはダメだと思います(汗))
個人的な意見としては学生のときに運動部だった人が現場監督を長く続けているイメージがあります。
コミュ力が嫌でも向上する
毎日、何十人、何百人という人が現場で仕事をして、そんな人たちに支持をして打ち合わせをして…
そんな状況でコミュニケーション能力が上達しない訳がありません。
私自身の話ですが、現在の会社には安全当番というものが存在します。
大きい現場では300人を前に毎朝、当日の危険作業や注意ポイントを説明します。
入社した時、私はこの安全当番が非常に嫌いでした。
嫌いというか、軽い赤面症なので人前で5~6分の説明することが苦痛で苦痛で。。。
ただ日々の積み重ねは怖いもので、社会人11年目のときの結婚式の最後の新郎スピーチの時に、特にカンペも見ず6分くらい喋り続けれるようになりました(笑)
現場の知識を生かして、DIYに取り組むことができる。
私ごとで恐縮ですが、去年の年度末に、夢のマイホーム(戸建て)を購入しました。
まだまだ、最低限住めるような設備しか整っていませんが、ものづくりも個人的に好きなので、極力自分で出来ることにはコストをかけずにDIYで済まそうとしています。
例えばテレビを壁掛けにし、自分で組み立てをしました。
なかなか時間をつくることができず、手を付けられていませんが、今後、バルコニーのウッドデッキ、トイレ・洗面の吊戸棚等、作成する予定なので、取り組み次第、情報提供していこうと思います。
マイホーム選びの記事も、お時間があれば見て頂けると嬉しいです。
現場監督のデメリットについて
- 仕事の拘束時間が長い
- 労働環境が過酷
- 知識が身につくまでの下積みが大変
- お酒の強い人が多い
- 家庭崩壊の可能性が高い
- 危険と隣り合わせ
仕事の拘束時間が長い
理由は単純明快で仕事量が多いためです。
本当に仕事を見つけようとすると、いくら頑張っても仕事が無くなることは絶対にありません。
ちなみに私が入社1年目は7時~22時が定時でした。。。
その時は、上司含め、労働環境に恵まれていなかった時期だったなと感じます。
通勤時間を短縮し、睡眠時間を確保する為に着任現場の近くの同期の寮に居候させてもらったことは辛くも良い思い出となっています。
社会人1年目の社畜生活の記事はこちらです。
2024年4月より、建設業の36協定が変わり時間外労働の上限が変更になることもあり、今後労働環境は以前に比べ、大幅に改善されていくと思います。
労働環境が過酷
30℃を超える日も、雪の日もいつもと同じように仕事をこなさなければなりません。
台風近接時は休日であろうと祝日であろうと緊急時の対応の為、現場待機します。
個人的に、冬はホッカイロからの着込みに着込んでスクワットでもすれば問題ないのですが、夏は想像を絶するほどツライです。。。
現場内は大型車両が出入りできるように、鉄板を敷きならべているのですが、鉄板上で気温を図ると真夏では40℃をかるく超えてきます。
私は熱いのが大の苦手なので、身の危険を感じたらすぐにクーラーの効いた事務所へ避難しますが、職人さんは一日中外で仕事をしています。
自分にマネ出来ません。
絶対に倒れるから。色白だし。。
ただただ、凄いなと感じるばかりです。
知識が身につくまでの下積みが大変
現場監督が汗水流して仕事をしているイメージがあるかもしれませんが、監督の仕事は業者さんへの指示と確認です。
つまり指示をする為に土台となる知識を詰め込むまでが大変です。
上司から1~10まで手取り足取り教えてもらえないので、段取りが悪ければ業者さんからは怒られます。
積極的にコミュニケーションをとり続けることが大切です。
ちなみに私は、職人さんから仕事を色々教わりました。
現在も分からないことは、よく聞きます。
見返りなく親切に教えてくれる人たちに日々感謝です!
お酒の強い人が多い
私自身お酒に弱いので余計そう感じるのかもしれません。
両親はお酒が飲めず、パッチテストですぐに反応するほどの体質ですが、ある程度飲めるようになりました。
お酒が強い人が多い、つまり、飲み会に誘われる頻度は世間一般的には多いのかなと思います。
今はお酒を飲む人や飲み会の機会が減っていると思います。
飲むことを強要されることは一切ありませんでしたので、そこは心配しなくても良いと思い
ます。
お酒が大好きな人にとってはメリットかもしれませんね!
家庭崩壊の可能性が高め
現場監督の同期や先輩など、身の回りでも離婚している人がいます。(5名以上)
仕事上、帰りが遅い、飲み会が多い、休みが少ない、と、喧嘩ポイントが盛りだくさんな状態なので、仕方がないのかもしれません(泣)
特にこどもが生まれたばかりで、ママがしんどい時期が注意です。
ちなみに、わたしも離婚の危機を経験しました。。。
男性には女性のつらさって、分からないことが多いなと思います。
仕事がいっぱいいっぱいなのに、家でもやることがいっぱいいっぱいという、まさに崖っぷちに追い込まれる感覚。
それでも仕事よりも家族が一番だと思います!
時間配分に優先順位をつけて、仕事で培ったコミュニケーションを家庭でも発揮させましょう!
現場は危険
日常生活とは別世界というほど、近くに危険が潜んでいます。
自分自身もそうですが、現場作業員さんが1つのヒューマンエラーで死亡災害につながることもあるので、現場の安全設備に不備が無いよう日常の点検が必要不可欠です。
現場内で、労働災害に直面したことは1度や2度程度ではありませんが、幸い重篤な災害につながっていません。
建設業全体でみれば、いまだに足場からの転落や重機との接触等による死亡災害が発生しています。
現場で作業する仲間が、無事健康なからだで家に戻ってもらうことも、現場監督の仕事なので、年上の人に注意しづらいという気持ちもありますが、不安全行動をしていれば厳しく注意することが職人さんのためになります。
遠慮せず、真摯な対応をこころがけましょう。
【現場監督のメリット・デメリット】まとめ
デスクワークがつらかったり、眠ければ現場に出れますし、現場業務を自分のスケジューリングで調整できます。
朝早く、夜は遅めという基本的な拘束時間はありますが、日中の自由度は意外と高いように感じます。
これから稼ぎたい人、やりがいや責任のある仕事、人と話すことが好きな人は向いていると思います。
本当に気が合う人とは現場で会う機会がなくなったとしても、プライベートでも交友関係が続きますし、現場所長になればお歳暮お中元も凄いもらえるみたいです(笑)
所長となれば現場の中の社長として会社と相談しながらすべての決断をしていくので、そのような仕事を間近で見ているだけでも勉強になります。
通常のサラリーマンでは味わうことのできない体験だと思います。
大変ですが、どちらかというとメリットが多い仕事だと私は感じています。
何社も比較している訳ではないので、どこの会社にも当てはまるわけではないと思いますが、参考にして頂ければと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!